校長室から

排水溝の上でピースサイン

2024年6月4日 09時00分

 6月になりました。気が付けば1学期も半分が終わりました。

 ついこの前入学したばかり、と思っていた1年生も、給食や清掃活動や午後の授業が始まり、学校では疲れを見せず、はつらつと生活しています。5年生は自然体験活動、6年生は修学旅行を終えました。

 コロナ禍の中で強く抱いた「当たり前のことなんてない」という気持ちは、今も忘れていません。今、学校で予定どおりに行われている行事や活動を「実施できて本当によかった」という安堵の気持ちに、これまで以上に浸りながら、毎日を過ごしています。それは、大きな行事がない日常でも同じです。今日このときは二度と来ない。そう思うことにして、感謝と感動を大切にしています。

 昨日、どうでもいいような子どもとのやり取りの中で生まれた感動がありました。

 6年生のプール清掃のときのことです。その活動に加わり、排水溝の掃除を途中からずっとしていました。清掃が終わってほとんどの子どもが教室に帰った後、「プール中央の排水溝のふたをきちんと閉めた」という証拠写真を最後に撮影しようとしたら、残っていた女子の何人かが近くにいて、私のその様子を見ていました。

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 写真に影が入り込むので、その子に少し離れてくれるよう頼みました。そしたら彼女、いったんは離れましたが、お調子でシャッターを切る瞬間にわざと入り込みました。叱るようなことでもなかったので、そのままにしておくと、何度かお調子を繰り返し、そのうちエスカレートして、周囲の子もあえて近くに寄って来てピースサインの影を入れてみたり…。

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 収集がつかなくなったので、近くにいた子に、いっそのこと全員の手を入れて入ってピースをして写真を撮るぞ!と持ち掛けました。

 その、どうでもいい写真がこれです。

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 かっこいい写真でしょう?下が排水溝というのがポイントです。

 何とも無意味な出来事でしたが、たぶん、私にとって、今年の忘れられない思い出の一つになると思います。残念ながら、学年全員で共有できる思い出ではありませんが、このピースで輪をつくった十数人の子も、「そういえば、あんなどうでもいいようなこと、排水溝の上でやったなあ。」などと、何年かたってもふと思い出してくれるといいなあ。

 何気ない日常のどうでもいいような出来事の中でも、忘れようにも忘れられない瞬間は起こることもあるのです。それらも大切にしながら、私自身も子どもたちと向き合って、毎日を過ごしていきたいな。

 こんなちょっとした感動を、さらにいろんな子たちと共有できると素敵だなと思います。